祖母の家事には、定年がなかった

母方の祖母がいつもと同じ服を手に取り、高齢になっても続く家事や身支度の負担について考えている様子 親の介護・相続

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祖父には、仕事を辞める定年がありました。

けれど、祖母が長年続けてきた家事には、はっきりとした終わりがありませんでした。

食事を作る。
洗濯をする。
掃除をする。
買い物に行く。
季節に合わせて衣類を入れ替える。
家の中を片づけ、暮らしを維持する。

年齢を重ねても、それらは毎日のように続きます。

祖母自身も、「できなくなった」とは簡単に言えなかったのだと思います。

子どもたちに迷惑をかけたくない。
自分のことは自分でしたい。
今までできていたことを、人に頼るのは申し訳ない。

そんな遠慮もあったのかもしれません。

僕たち家族も、本人が何も言わなければ、これまでと同じように暮らせていると思ってしまいます。

でも、会うたびに同じ服を着ていたことは、家事や身の回りのことが少しずつ負担になっている可能性を考えるきっかけになりました。

家事を減らすことも、暮らしを守る方法になる

高齢になっても、すべての家事を同じ基準で続ける必要はありません。

毎日きちんと料理をしなくてもいい。
掃除の回数を減らしてもいい。
買い物を家族や宅配に頼ってもいい。
使わない部屋や大量の食器を整理してもいい。

今まで背負ってきた家事を少しずつ降りる。
これから維持できない家事や家の管理を少しずつ終わらせる。

それが「家事降り」「家事じまい」という考え方なのだと思います。

ただ、本人から「家事を減らしたい」「今の家での生活が大変になった」と言い出すのは簡単ではありません。

だから家族の側から、

「もう全部を自分でしなくてもいいんじゃないか」
「少し暮らしを軽くする方法を考えてみないか」

と話題に出すことも必要です。

施設は、介護が限界になってから探す場所とは限らない

家事の負担を減らす方法は、施設だけではありません。

家族で分担する。
宅配や家事支援を使う。
見守りサービスを利用する。
住みやすい家に移る。
高齢者向け住宅や介護施設を調べる。

施設も、その中にある選択肢の一つです。

家族が勝手に入居を決めるのではありません。
本人の希望を聞きながら、どのような暮らし方があるのかを一緒に確認する。

施設を調べることは、今の家から追い出すことでも、介護をやめることでもありません。

家事や家の管理から少し離れ、食事や安全面を支えてもらいながら、人と関わって暮らす方法があることを知るためです。

本人が元気なうちなら、施設を見学し、自分の意見を伝えることもできます。

いよいよ生活が難しくなってから慌てて決めるより、早い段階で家族から選択肢を提示しておく方が、本人にとっても納得できる判断につながりやすいと思います。

まずは、どのような住まいがあるかを知っておく

施設に入るかどうかを、今すぐ決める必要はありません。

ただ、どのような施設があるのか。
どれくらいの費用がかかるのか。
どの地域に選択肢があるのか。
どのような生活になるのか。

これらを知っておけば、家族で具体的に話し合えるようになります。

家事ができなくなってから考えるのではなく、元気なうちに、これからの暮らし方を一緒に考えておく。

それも、家族にできる支え方の一つです。

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