二人で暮らしているから大丈夫、ではなかった|祖母の家事と祖父の遠慮

高齢の祖父母が自宅で静かに過ごし、家事の負担やこれからの暮らしについて考えている様子 親の介護・相続

母方の祖母は、僕たちから見えないところで、少しずつ疲れていたのだと思う。

食事を作る。
洗濯をする。
家の中を整える。

それは、長年続けてきた当たり前の家事だった。

祖父の仕事に定年はあっても、祖母の家事には定年がない。

祖母自身は、「自分はちゃんとやっている」と思っていたのかもしれない。

今までやってきたことだから。
子どもたちに心配をかけたくなかったから。

でも、年齢を重ねれば、同じ家事でも負担は変わってくる。

昔は自然にできていたことが、少しずつ重くなる。
服を選ぶことも、洗濯をすることも、毎日の段取りを考えることも、以前と同じではなくなっていたのかもしれない。

少しずつ変わっていく家事の様子を、祖父も何となく気づいていたのだと思う。

長く一緒に暮らしてきたからこそ、祖母の変化には気づいていた。
でも、愛情があるからこそ、簡単には言えなかったのかもしれない。

「もう無理しなくていい」と言えば、祖母を否定するように聞こえるかもしれない。
「家事は俺がやる」と言い切れる男性が、果たしてどれくらいいるのだろう。

長年一緒に暮らしてきた夫婦だからこそ、言えないこともある。

そして、別に暮らしていた僕たち家族の前では、気を張っていたのかもしれない。

会いに行ったときの様子だけを見て、何となく大丈夫だと思っていた。
でも、家の中のことも、日々の疲れも、祖母がどれくらい無理をしていたのかも、ちゃんと見えていなかった。

今振り返ると、ちゃんと見ていなかったのは、家族の方だったのかもしれない。

高齢の夫婦が二人で暮らしていると、「二人いるから大丈夫」と思ってしまう。

でも実際には、どちらか一人の家事や我慢で、暮らし全体が支えられていることがある。

だからこそ、元気そうに見えるうちから、家事を減らすこと、暮らしを軽くすること、施設や高齢者向け住宅も含めた選択肢を話題にしておく必要があるのだと思う。

今の暮らしが続けられるのか、家事の負担をどう減らすのか、早めに選択肢を知っておくことは大事。
その選択肢の一つとして、高齢者向け住宅や介護施設を調べておくものいいかもしれない。

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